Googleのモバイルフレンドリーについて知る

SEOの人やWebmaster向けの情報を見ていると最近はモバイル フレンドリー・モバイル ファーストインデックス・AMPなどに関するニュースが多い。
その中で今回はモバイルフレンドリーについて知る。今回の知るは、サイト担当者でモバイルフレンドリーに対して準備するまでの対策を知るではなくて、あくまでモバイルフレンドリーが何かを理解するところの知るを目標とする。

この記事では、Googleウェブマスター向け公式ブログを時系列順に見ていきモバイルフレンドリーが何かを理解する。

webmaster-ja.googleblog.com

2009年10月の記事である。日本でも携帯電話の普及率が上昇してきて、それに伴いGoogle モバイル検索における検索数も増えてきてたという背景がある。ウェブ担当者においては今までのPCのデスクトップ版と違うところも多数あるためモバイルサイトの運営は容易ではなく、当時はモバイルサイトがきちんと正常にGoogleにインデックスされていない事態が起こっていた。モバイルサイトがGoogleにどうやったらきちんとインデックスされるのかをこの記事では解説している。
携帯サイトウェブマスター向けのガイドライン(https://support.google.com/webmasters/answer/72462?hl=ja&visit_id=1-636461187045556977-4190964328&rd=1)や、スマートフォン版 Googlebot-Mobile(https://webmaster-ja.googleblog.com/2011/12/googlebot-mobile.html)、 ウェブマスターヘルプフォーラムにモバイルサイトというカテゴリが追加されたりなどが始動した時期のようだ。

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上記の記事は、Googleの検索結果で良い結果が得られるようなスマートフォンに最適化されたウェブサイトの構築方法を説明している。ポイントは3つである。

  1. レスポンシブ・ウェブデザインを使用しているサイト、すなわち、すべてのデバイスに単一の URL で同じ HTML を提供し、CSSを使用してデバイスごとにデザインを変更するサイトです。こちらが Google の推奨する設定方法となります。
  2. すべてのデバイスに対し単一の URL で、ユーザーエージェントに応じてデスクトップ用かモバイル用かなどを判断して動的に異なる HTML と CSS を提供するサイト。
  3. モバイル用のサイトとデスクトップ用のサイトを別々に構築しているサイト。

詳細はウェブマスターヘルプフォーラム(https://productforums.google.com/forum/#!topic/webmaster-ja/dae1ZAOIxO0/discussion)で議論されていた。

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多くのユーザーがスマホから検索を行っており(https://www.thinkwithgoogle.com/consumer-insights/creating-moments-that-matter/)、2013年は携帯端末向けのページではその読み込みに平均して7秒以上かかっていることが調査(https://analytics.googleblog.com/2013/04/is-web-getting-faster.html)からわかっていた。その事実を踏まえてこの記事では、携帯端末上でのユーザーに最初に見えるコンテンツの読み込み時間を1秒未満にするためのベストプラクティスを紹介している。

・ 200 ms 以内にレスポンスを返すようにする
・ リダイレクトの数は極力少なくする
・ 最初のレンダリング時のデータのやり取りを極力少なくする
・ ユーザーに最初に見えるコンテンツを表示するのに必要となる JavaScript および CSS を外部参照せずにインライン化する
・ ブラウザのレイアウト、レンダリング時間を考慮に入れる (200 ms)
JavaScript の実行とレンダリング時間を最適化しておく

携帯端末向けページのレンダリングを高速化するためのガイドライン(https://developers.google.com/speed/docs/insights/mobile)やPageSpeedインサイトツール(https://developers.google.com/speed/pagespeed/insights/)の提供をはじめた。

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2014年11月の記事で、モバイルフレンドリーという言葉が出てきている。モバイル検索ユーザーの利便性を高めるために、モバイル版の検索結果に[スマホ対応]というラベルという試みをはじめた。

ページがモバイル フレンドリーの条件を満たしているかどうかを確認するには:
・ モバイル フレンドリー テストでページを確認します。
Google のウェブマスター向けモバイル ガイドの最新のドキュメントで、モバイル サイトの作成方法と改善方法を確認します。
Google ウェブマスター ツールで [モバイル ユーザビリティ] レポートを確認します。このレポートには、1 つのページだけでなくサイト全体における主要なモバイル ユーザビリティの問題が表示されます。
CMS (コンテンツ マネジメント システム)でホストされているウェブサイトを、モバイル フレンドリー テンプレートに移行する場合は、WordPress や Joomla などのサードパーティ ソフトウェア向け手順ガイドを確認します。
Google ではこのラベルを、モバイル ユーザーにさらに優れたモバイル ウェブ エクスペリエンスを提供するための第一歩と考えています。また、このモバイル フレンドリーの条件をランキング要素として使用することも実験中です。

モバイルフレンドリーとはウェブページがモバイル(スマートフォンや携帯端末)向けに最適化されている状態のことを指すのだろうということがわかった。
また、モバイルフレンドリーテスト(https://search.google.com/test/mobile-friendly?utm_source=mft&utm_medium=redirect&utm_campaign=mft-redirect&hl=ja)やウェブマスター向けモバイルガイド(https://developers.google.com/search/mobile-sites/?utm_source=wmc-blog&utm_medium=referral&utm_campaign=mobile-friendly&hl=ja)があることも知った。

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タイトルの通り、ウェブマスターツールでモバイルユーザビリティが確認できる機能がふえた。

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Googleが2015年4月21日からウェブサイトがモバイルフレンドリーかどうかをランキング要素として使用し始めますことを発表した。
また、2015年2月27日からインデックスされたアプリからの情報をそのアプリをインストールしているログインユーザーに対してランキング要素の一つとして使用し始めることを発表した。これは検索結果にもっと関連性の高いアプリコンテンツを表示するためである。

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4 月 21 日から実施されるモバイル フレンドリー アップデートにより、モバイル検索では、携帯端末で読みやすく使いやすいページの掲載順位が引き上げられます。
このアップデートには以下のような特徴があります:
・ 携帯端末での検索の掲載順位にのみ影響する
・ 世界中のすべての言語で検索結果に影響する
・ ウェブサイト全体ではなく、個々のページが対象となる

携帯端末のみの検索結果順位に影響して、PCからの検索結果順位には影響がないのが肝だろう。また、サイト単位でなくページ単位で評価するのがおもしろい。また、以下の様なことも記載されていた。

サイトがモバイル フレンドリーではない場合、Google 検索からのモバイル トラフィックが大幅に減少する可能性があります。しかし、サイトがモバイル フレンドリーに対応すれば、Google によるページの再処理(クロールとインデックス登録)は自動的に行われるので、ご安心ください。また、Fetch as Google の「インデックスに送信」機能を使用して、この処理を早めることもできます。処理が完了すると、そのページはモバイル フレンドリーとして順位付けされるようになります。

モバイルフレンドリーに対応したかは自動的に処理が行われること、また、手動でFetch as Google の「インデックスに送信」機能(https://support.google.com/webmasters/answer/6065812?utm_source=wmc-blog-ja&utm_medium=referral&utm_campaign=mobile-friendly)を使ってGoogleにモバイルフレンドリーであると示す方法があることがわかった。

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13個質問がある中で8番目の質問が興味深かった。

モバイルサイトを別にホスティングする(パソコン用は www でモバイル用は m.example.com となる場合など)よりも、レスポンシブ ウェブ デザイン(パソコン版とモバイル版で同じ URL と同じ HTML を用いる)のページのほうが、モバイル フレンドリーとして掲載順位が高くなりますか?
いいえ。レスポンシブ ウェブ デザイン(RWD)、モバイル用の別個の URL、動的な配信のどの設定を採用していても、モバイル フレンドリーかどうかの評価は同じになります。サイトでモバイル用の別個の URL や動的な配信を使用する場合は、モバイル SEO ガイドを参照して、モバイルページが Google に正しくクロールおよびインデックス登録されるようにすることをおすすめします。

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タイトルの通り、2015年3月にはサイトをモバイル フレンドリーにするための #MobileMadness と題したキャンペーンをGoogle+Twitter上で実施していたようだ。

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2015年9月2日にモバイルフレンドリーテストを更新し、検索結果ページから移動した際にコンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルが表示されるモバイルウェブページをモバイル フレンドリーとは見なさなくなった。

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2016年5月(正確には5月から段階的)にモバイルフレンドリーに関するアップデートがあった。

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新しいモバイルフレンドリーテストツール(https://search.google.com/test/mobile-friendly)が増えた。

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2014年にモバイル版の検索結果に[スマホ対応]というラベルの表示をはじめ、2016年にはモバイル検索結果に表示されるページの85%に表示されるようになった。この経緯をうけて、ラヘルの表示を停止することを発表した。
また、2017年1月10日より煩わしいインタースティシャル広告が表示されるページの検索順位を下げる可能性があることを示した。

まとめ

モバイルフレンドリーの流れ及びモバイルフレンドリーが何かをざっくりと理解できたと思う。
上記にも書いたが、モバイルフレンドリーとはウェブページがモバイル(スマートフォンや携帯端末)向けに最適化されている状態のことを指すのだろうということがわかった。
モバイルフレンドリーに関するGoogleウェブマスター向け公式ブログをいくつか読んでいる中で検索体験・検索の意図という言葉が頻繁に出てきていた。Googleがいかに検索体験・検索の意図を重視した検索を設計しており、その上でモバイルフレンドリーの制度が成り立っているのだと感じた。